拘縮とは? 原因と、家で気づけるサインを鍼灸師が説明します
着替えのとき、親の腕がなかなか袖に通らない。手を握ったまま、指が開きにくくなってきた。おむつを替えるとき、脚が前より開かない。ケアマネさんやお医者さんから「拘縮(こうしゅく)が出てきていますね」と言われた。
「年だから仕方ないのかな…」「もっと動かしてあげればよかったのかな…」。そう感じて、どこか自分を責めているご家族は少なくありません。
でも、拘縮は、誰かの怠けや介護の失敗で起きるものではありません。体の仕組みとして起きやすい変化です。仕組みがわかると、毎日の中でできることが見えてきます。
拘縮とは、関節が「動く範囲」が狭くなった状態です
拘縮とは、関節のまわりの筋肉や皮膚、関節を包む膜などがかたくなって、関節の動く範囲が狭くなった状態をいいます。ひじが伸びきらない、ひざが曲がったまま、指が握ったまま開きにくい、といった形で現れます。
関節そのものが壊れているわけではないことも多いのです。まわりがかたくなって、動きにブレーキがかかっている。そう考えるとわかりやすいかもしれません。
拘縮が起こる、おもな原因
いちばん大きいのは、関節を動かさない時間が長く続くことです。人の体は、使わない動きの範囲を少しずつ手放していきます。
- 寝ている時間や、同じ姿勢で座っている時間が長い
- 脳梗塞などの後遺症で、手足に麻痺がある
- 痛みがあって、その関節を動かさないようにしている
- 骨折やけがのあと、しばらく固定していた
たとえば、何年も開けていない引き出しを思い浮かべてください。ある日引こうとすると、途中で引っかかって動かない。壊れたわけではなく、動かさなかったぶん、すべりが悪くなっているのです。関節のまわりでも、似たことが起きています。
家で気づける、拘縮のサイン
拘縮は、ある日突然ではなく、少しずつ進むことが多いものです。毎日のお世話の中に、気づくきっかけがあります。
- 着替えで、腕や脚が前より通しにくい
- 手が握ったままで、指を開くと嫌がる
- おむつ交換や体を拭くとき、脚が開きにくい
- ひざやひじが、伸びきらないまま固まってきた
- 関節を動かすと、顔をしかめる
「前より少しやりにくいな」と感じたら、それが大事なサインです。早めに気づくほど、できることの幅は広がります。なお、急に手足が動かなくなった、急に強い痛みや腫れが出たという場合は、拘縮とは別の原因も考えられます。すぐに医療機関を受診してください。
ご家族が毎日できること
拘縮の予防や進み具合の見守りは、主治医やリハビリの専門職と相談しながら進めるのが基本です。そのうえで、毎日の中でできることもあります。
- 痛くない範囲で、ゆっくり動かす:無理に伸ばさず、気持ちよく動く範囲で
- 同じ姿勢を続けない:寝る向きや座る姿勢を、ときどき変える
- クッションで楽な姿勢をつくる:手足が一方向に固まらないように支える
どのくらい動かしてよいか、どんな姿勢がよいかは、その方の体の状態で変わります。迷ったら、自己判断で強く動かさず、専門職に聞いてください。
訪問鍼灸でお手伝いできること
拘縮では、表面の筋肉だけでなく、骨のそばにある深い筋肉までかたくなっていることがあります。当院では、保険の訪問鍼灸に加えて、深い筋肉まで届く鍼を自費のオプション(1回3,000円・保険の施術と合わせて所要 約50〜60分)でご用意しています。保険だけで足りるのか、オプションが合うのかは、体を見たうえでご説明します。
施術のあとは、ご家族が毎日できる動かし方や姿勢の工夫もお伝えしています。効果や感じ方には個人差がありますが、お医者さんの治療やリハビリと並べて使える選択肢のひとつとして、知っておいていただけたらうれしいです。
「仕方ない」の前に、できることがあります
着替えのとき、袖に腕が少しすっと通る。おむつ交換のとき、ご本人の表情がやわらぐ。拘縮と向き合う毎日は、そういう小さな変化の積み重ねです。
年のせい、と片づける前に、一度ご相談ください。無料体験(所要 約40〜50分)では、ご家族の同席もおすすめしています。お世話をしているあなたの毎日が、少しでも軽くなりますように。
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