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親の介護でイライラしてしまう自分を責めないで 怒りが湧く場面と、その場でできることを鍼灸師がお伝えします

介護する娘の肩にそっと手を添える女性施術者のイラスト

「さっきも言ったでしょう」。気づいたら、また強い口調になっていた。食事に時間がかかる、着替えを嫌がる、同じ話をくり返す。頭ではわかっているのに、どうしても声がとがってしまう。


「親にこんな言い方をするなんて…」「私はなんて冷たい人間なんだろう…」。夜、ひとりになってから、自分を責めている方は少なくありません。


でも――介護でイライラしてしまうのは、あなたが冷たいからではありません。イライラが起きやすい場面には、ちゃんと理由があります。理由がわかると、その場でできることも見えてきます。


イライラが起きやすいのは、こんな場面です


介護をしているご家族の話を聞いていると、イライラが湧く場面には共通点があります。


  • 同じことを何度も聞かれる:さっき答えたばかりなのに、また同じ質問
  • 急いでいるときに限って時間がかかる:出かける前、仕事の前の食事や着替え
  • 手伝おうとすると拒まれる:よかれと思ったのに「いい」「やめて」と言われる
  • 夜や早朝に呼ばれる:眠りを何度も中断される


どれも、あなたの時間や気持ちの余裕を、少しずつ削っていく場面です。ひとつひとつは小さなことでも、毎日重なれば、誰でもいっぱいになります。


イライラの正体は、「こうあってほしい」とのずれです


人がイライラするのは、目の前のことが「こうあってほしい」と思う形とずれたときだといわれます。介護では、このずれが一日に何度も起きます。


しかも相手は、かつて自分を育ててくれた親です。しっかりしていたころの姿を知っているからこそ、「どうしてできないの」という気持ちと、「前はできていたのに」という寂しさが重なります。イライラの奥には、悲しさや不安が隠れていることも多いのです。


やかんを思い浮かべてください。火にかけたままにしておけば、いつか必ず湧き立ちます。それはやかんのせいではありません。大事なのは、湧き立つ前に火を少し弱めることです。


その場でできること:まず「間」をつくる


イライラを感じた瞬間に、言葉をのみこむのはむずかしいものです。だからこそ、言葉より先に、間をつくる工夫をしておくと楽になります。


  • いったんその場を離れる:安全を確かめたうえで、台所や別の部屋へ。少し離れるだけで、火は弱まります
  • 息をゆっくり吐く:吸うことより、長く吐くことを意識して何回か
  • 決まり文句を用意しておく:「ちょっとお茶いれてくるね」など、離れるときのひと言を決めておく


もうひとつ、ご自身の体の状態にも目を向けてみてください。寝不足の日、おなかがすいている日、体がこわばっている日は、同じ出来事でもイライラしやすくなります。火が強くなるのは、出来事のせいだけではありません。燃料になっている疲れが、たまっていることも多いのです。


完ぺきに抑えようとしなくて大丈夫です。強く言ってしまったあとに、「さっきはごめんね」と言えれば、それで十分です。


くり返す場面は、仕組みで減らす


毎日同じ場面でイライラするなら、気持ちの問題ではなく、仕組みで減らせることがあります。


  • 何度も聞かれることは、紙に大きく書いて見えるところに貼る
  • 急ぐ日の着替えは、前の晩に準備しておく
  • 手伝いを拒まれるときは、全部ではなく「ここだけ手伝うね」と範囲を決める


同じことをくり返し聞く、物忘れが急に増えたといった変化が気になるときは、かかりつけ医に伝えてください。また、急にぼんやりする、急に話が通じにくくなったなど、いつもと明らかに違う様子がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。


ひとりで背負わないことも、大事な工夫です


イライラが続くのは、それだけ一人で担っている時間が長いということでもあります。ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談すると、デイサービスやショートステイなど、ご家族が離れられる時間をつくる方法を一緒に考えてもらえます。


当院では、通院がむずかしいご本人への訪問鍼灸に加えて、介護をされているご家族への施術も行っています。ご本人の訪問日に合わせて、所要 約30分・5,000円です。女性の鍼灸師(中老田佳奈・鍼灸師/柔道整復師)もおりますので、ご希望があればお伝えください。体のこわばりがゆるむと、呼吸が深くなり、気持ちに少し余白が戻ることもあります。効果や感じ方には個人差がありますが、ご自身の火を弱める時間として使っていただけたらと思っています。


イライラする日があっても、あなたは十分にやっています


朝、親の「ありがとう」を、少しだけやわらかい気持ちで受け取れる。そんな日が一日でも増えたら、それで十分です。毎日やさしくいられる人は、どこにもいません。


イライラしてしまう自分を、どうか責めないでください。それは、あなたがそれだけ真剣に向き合ってきた証です。無料体験(所要 約40〜50分)では、ご家族の同席もおすすめしています。対応エリアは札幌市手稲区・西区です。あなたの毎日に、ほっと息をつける時間が増えますように。


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