パーキンソン病 ご自宅で利用

パーキンソン病のリハビリで気をつけたいこと 「やってはいけない」を知って安心して続けるために鍼灸師が説明します

椅子からゆっくり立つ高齢の男性を、そばで見守る施術者のイラスト

体を動かしたほうがいいのは、わかっている。でも、立ち上がった瞬間にふらっとしたことがある。歩いていて、足が床に貼りついたように止まったこともある。


「無理に動かして、かえって悪くしたらどうしよう…」「やってはいけない運動があるなら、先に知っておきたい…」。ご本人も、そばで見守るご家族も、そんな不安を抱えながらリハビリに向き合っていらっしゃるかもしれません。


でも――気をつけるポイントを知っておけば、怖がりすぎる必要はありません。「何をしてはいけないか」がわかると、「これなら安心してできる」も見えてきます。


まず知っておきたい「禁忌」の考え方


「禁忌」とは、その人にとって避けたほうがよいこと、という意味です。ただ、パーキンソン病のリハビリで何が禁忌になるかは、病気の進み方、お薬、ほかの持病、骨や関節の状態によって、一人ひとり違います。誰にでも当てはまる「絶対にだめな運動のリスト」があるわけではありません。


ですから、いちばん確かなのは、主治医やリハビリの専門職に「自分の場合は何に気をつければいいか」を聞いておくことです。ここでお伝えするのは、そのうえで、家で過ごすときに多くの方が気をつけておきたい共通の注意点です。新しい運動を始めるときは、一度相談してからにしてください。


気をつけたいこと1:急に立ち上がらない


パーキンソン病では、立ち上がったときに血圧が下がって、くらっとする(起立性低血圧)ことがあるといわれます。お薬の影響が重なることもあります。立ちくらみは、転ぶきっかけになりやすいものです。


  • 寝ている姿勢から、いったん座ってひと呼吸おく
  • 座った姿勢から、足を床につけて、ゆっくり立つ
  • 立ったら、すぐに歩き出さずに数秒待つ


運動の前後、お風呂上がり、食事のあとは、特に気をつけたい場面です。ふらつきが続くときは、主治医に伝えてください。


気をつけたいこと2:転びやすい場面で無理をしない


リハビリで一番避けたいのは、転んでけがをすることです。パーキンソン病の方が転びやすいといわれる場面には、いくつか共通点があります。


  • 向きを変えるとき:その場でくるっと回るより、小さな弧を描くように歩いて向きを変える
  • 狭い場所・ドアの前:足がすくみやすい場所。床に目印のテープを貼ると、一歩が出やすくなる方もいます
  • 何かをしながら歩くとき:話しながら、物を持ちながらの歩行は、注意が分かれて転びやすくなります。歩くときは歩くことに集中する


ご家族が練習を手伝うときは、真横か少し後ろに立つと支えやすくなります。手を強く引っぱると、かえってバランスを崩すことがあるので気をつけてください。


気をつけたいこと3:お薬が効いていない時間に頑張らない


パーキンソン病では、お薬が効いて動きやすい時間と、効き目が切れて動きにくい時間があるといわれます。信号にたとえると、青のときは進みやすく、黄色や赤のときは止まりやすい。赤信号の時間に無理に動こうとするのは、交差点に飛び出すようなものです。


体を動かすのは、なるべく「青信号」の時間に。動きにくい時間は、座ってできる深呼吸や、手指をゆっくり握って開く程度にしておくと安心です。なお、動きやすさが気になるからといって、お薬の量や飲む時間を自分で変えるのは避けてください。気になることは、主治医に相談しましょう。


気をつけたいこと4:痛いほど伸ばさない・疲れすぎない


こわばった体をやわらかくしたくて、つい強く伸ばしたくなるかもしれません。でも、痛みを我慢してぐいぐい引っぱると、筋肉や関節を傷めることがあります。ストレッチは「気持ちよく伸びている」くらいで止めるのが目安です。


運動の量も同じです。次の日まで疲れが残る、体がいつもより重い。そんなときは、やりすぎのサインかもしれません。たくさんやる日をつくるより、短い時間を毎日続けるほうが、体にとってはやさしいことが多いのです。


そして、急に動けなくなった、転んで頭を打った、息苦しさや胸の痛みがある、いつもと様子が大きく違う。こうしたときは、リハビリを続けず、すぐに医療機関に相談してください。


「安心して動ける」が、続ける力になります


訪問はり灸からーずでは、ご自宅に伺って、はり灸と手でのもみほぐし、体の動きの確認をお手伝いしています。パーキンソン病の方は、週2〜3回程度のご利用がひとつの目安です。その日の体調やお薬の効き具合をお聞きして、こわばりやすい首・肩・背中・脚をゆるめてから、立ち上がりや歩き方を一緒に確かめます。ご家族には、支えるときの立ち位置や声かけもお伝えしています。


医療保険が使えるかどうかは、症状やかかりつけ医の同意によって変わります。効果や感じ方には個人差がありますが、主治医の治療やリハビリと並べて使える選択肢のひとつとして、知っておいていただけたらと思います。無料体験(所要 約40〜50分)では、ご家族の同席もおすすめしています。


「やってはいけないこと」がわかれば、「やっていいこと」に安心して取り組めます。ご本人もご家族も、怖がらずに体を動かせる毎日でありますように。


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